2017年6月5日月曜日

「新留学生リレー日記」第11回 ファイナンス面 Q&A



1.税金の確定申告は留学先でしなければいけないのですか?任意の場合はしていますか?

イギリスでは、おそらく任意ですが、オンラインで申請できるので、やってみたことがあります。英語なので難易度が低いです。
アメリカでは強制です。毎年4月上旬が期限です。留学生は税務署に書類を郵送しなければいけないので、大学が書類づくりを支援するソフトウェアを提供してくれる場合があります。
ドイツでは、任意です。申告すれば税金が戻ってきますが、手続きが非常に煩雑なうえ、ドイツ語で困難なので、外国人の場合していない人が多いです。

2.住居はどのように選べばよいでしょうか?

オックスフォード大学の場合、学部生は優先的にカリッジに住めますが、大学院生は抽選で初めの1~2年だけ住めるというケースが多いです。8月の終わりに人づてにもらった空き情報を狙って申請を出すと、うまく部屋がもらえたりするかもしれません。また、住む地区を選ぶにあたって、「この地域は危ない」などという地区はあるので、注意が必要です。
アメリカでは、学部生は大学が所有する寮か、市内でルームシェアが基本ですが、大学院生はワンルームの場合が少なくありません。結婚している人もいるので、そういう人たちは夫婦・家族でファミリー向けのアパートに住んでいることもあります。ただし、遠くに住む場合や、街に交通機関がない場合、自動車が必要になるケースが多々あります。(目安として、保険:200 $/月、ランニングコスト:300-400 $/月)
ドイツでは、大学内に大学所有の学生寮があります。かつては全員住むことができたのですが、現在は学生が増えたせいで、隣の町や遠くの田舎に住むことも多いです。学部生でも1時間離れたところから車で通っている人もいます。また、ドイツには、歴史的景観を重視する法律があって、新しく建物を建てるのが大変困難なので、学生寮を新たに建てることはほぼありませんし、600年という長い歴史があるので、アメリカのように、郊外にキャンパスを移転することもありません。慢性的な住居不足となっていますので、ドイツに住む場合は、早めの部屋探しをお勧めします。

3.個人的な旅行はどのくらいしていますか?

最近するようになりました。ヨーロッパ内だとLCCで片道50ポンドくらいなので、ロンドンに出るバス代の方が高いことすらあります(笑)イギリスでは電車がよく遅れたり、キャンセルになったりします。最終列車でオックスフォードに帰ろうと思っていたら、「運転手が見つからないためキャンセル」ということがありました。
一度ロサンゼルスに旅行(飛行機で1時間半)したことがあります。クリスマスシーズンだったので、往復 200 ドルくらいしました。旅行は基本的に飛行機です。列車(Amtrak)はありますがかなり時間がかかってしまいます。(サンフランシスコからシアトルまで14時間!)学科からの奨学金で、日本への一時帰国は年に1度位は可能です。
最近あまりしていないです。規制緩和の流れで国鉄以外の乗り物が便利になり、最近ドイツ国内で民間のバス会社が力をつけてきています。昔はドイツ国内で、電車を使わないと行けなかった場所でもほとんどバスで行けるようになりました。

4.ドイツでは、博士課程は学生でなくてもいいの?学生でない場合のビザの問題は?

学籍登録を抜いた場合、私のように、博士課程の学生は労働ビザにすることができます。ただし、研究所から「奨学金」という形でもらう場合は、学籍登録と学生ビザが必要です。(ドイツではビザはEU圏に入国後に取得できるので、事前申請は不要です。)

5.オックスフォードのカリッジ・フィーは住居費と別ですか?

はい。別です。カリッジの寮に住んでいなくても、カリッジには必ず所属するので、カリッジ・フィーは払わなければいけません。カリッジに所属することで、例えば為替レートの急速な変動で手元のお金がなくなった場合など、経済支援(返済不要)をしてくれることがあります。

第12回へ続く


新留学生リレー日記
第1回 Oxford & UC Davis & Tübingen
第2回 英米独の学位制度
第3回 アメリカの大学院
第4回 ドイツの大学院
第5回 イギリスの大学院
第6回 Q&A
第7回 留学生の懐事情
第8回 オックスフォード生活とお金
第9回 ドイツ留学で気になるArbeitsvertragとStipend
第10回 アメリカ留学のお財布事情
第11回 Q&A(ファイナンス面)

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執筆者プロフィール

江口 晃浩(えぐち あきひろ)
高 専時代にAFSを通じてオレゴン州の高校で一年間の交換留学を経験。2008年より米国アーカンソー大学に進学し、2011年春に理学士(コンピュータ・ サイエンス)、2012年に教養学士(心理学)を取得。同年、英国オックスフォード大学大学院に進学し、計算神経科学の博士号過程に在籍中。ブログ「オックスフォードな日々http://hogsford.com
村瀬 彩華 (むらせ あやか)
カリフォルニア大学デービス校 食品科学科の修士1年生 学部卒業後に渡米
専攻は食品微生物学
川口 雄久(かわぐち かつひさ)
チュービンゲン大学 マックスプランク神経行動科学大学院のD2
学部卒業後に渡独 研究内容は視覚情報処理と意思決定

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発行責任者: 武田 祐史
編集責任者: 日置 壮一郎
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