2017年6月18日日曜日

「新留学生リレー日記」第13回 英国オックスフォード大学大学院への出願

リレー日記第13回は英国オックスフォード大学大学院への出願についてです。出願期限がない、なんてこともあるそうですので、ぜひ挑戦してみては?

オックスフォード大学の入学式

こんにちは。英オックスフォード大学の博士課程に在籍しております江口です。今回は大学院課程出願に関して簡単に紹介したいと思います。

イギリスの大学は基本的には三学期制で、一般的には秋に始まるタームが入学の時期となります。例えばオックスフォード大学のタームは、10月から始まる Michaelmas、翌年の1月からのHilary、4月からの Trinity とオックスフォード独自の名前がついているのですが、入学のタイミングは最初の Michaelmas となります。

大学院課程の出願はほとんどの場合大学のウェブサイト上から行うことができます。しかし出願ページの公開時期は学校や学科によっても異なるため、個別に確認する必要があります。出願期限が特に定められていない場合もありますが、その場合は選考は先着順になると考えてよく、できることであれば早めに出願することをお勧めします。


必要な語学資格試験については、イギリスではIELTSが最も一般的な試験です。最低基準点はプログラムによって異なりますが、6.0~7.5程度です。私の在籍するプログラム(医科学部・実験心理学 博士課程)の場合だと、最低基準点は7点、セクションごとの最低点は6.5点とのことでした。しかし一方で、英語圏や授業の大半が英語で行われる学部教育を受けた受験生の場合であれば、試験の免除を申請することも可能です。

GRE等の特別な試験は課せられない場合が多く、選考は基本的には、学部成績(GPA)、研究実績、推薦状、面接、提出小論文に基づいて行われます。また、出願の段階であらかじめ奨学金を確保していたりすると選考が優位に進む例も多くあるようです。提出小論文はプログラムの要件によって違いますが、Taught Master の場合は志望動機 (SoP) や与えられたテーマの小論文(academic written work を参照)、Research Master や PhD だと研究提案書が必要となる例が大半のようです。研究提案書を書く際には、あらかじめ受け入れ先の研究室の教授と連絡を取り合い、研究の目的等共通の理解を深めておくと役に立つと思います。

海外の大学院進学は色々と手探りのことばかりで不安も多いことと思いますが、出願自体は案外シンプルな場合がほとんどですので、是非挑戦してみてください。




新留学生リレー日記
第1回Oxford & UC Davis & Tübingen
第2回英米独の学位制度
第3回アメリカの大学院
第4回ドイツの大学院
第5回イギリスの大学院
第6回Q&A
第7回留学生の懐事情
第8回オックスフォード生活とお金
第9回ドイツ留学で気になるArbeitsvertragとStipend
第10回アメリカ留学のお財布事情
第11回Q&A(ファイナンス面)
第12回応募と入学について
第13回英国オックスフォード大学大学院への出願

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執筆者プロフィール

江口 晃浩(えぐち あきひろ)
高 専時代にAFSを通じてオレゴン州の高校で一年間の交換留学を経験。2008年より米国アーカンソー大学に進学し、2011年春に理学士(コンピュータ・ サイエンス)、2012年に教養学士(心理学)を取得。同年、英国オックスフォード大学大学院に進学し、計算神経科学の博士号過程に在籍中。ブログ「オックスフォードな日々http://hogsford.com
村瀬 彩華 (むらせ あやか)
カリフォルニア大学デービス校 食品科学科の修士1年生 学部卒業後に渡米
専攻は食品微生物学
川口 雄久(かわぐち かつひさ)
チュービンゲン大学 マックスプランク神経行動科学大学院のD2
学部卒業後に渡独 研究内容は視覚情報処理と意思決定
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カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
(上記サイトでバックナンバー閲覧可)
発行責任者: 武田 祐史
編集責任者: 日置 壮一郎
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