2014年2月16日日曜日

アメリカ就職への道(6) オファーから

『海外の大学院留学生たちが送る!サイエンス・実況中継』
Feb 2014, Vol. 67, No. 1

- From editors --

アメリカ就職記事:第六回となります。


今回はオファーからをお送りいたします。オファーがあった場合、
そのオファーに関して検証しなければいけません。それが自分の希望
とマッチしているかどうか、ということにも注意する必要があります。
どうぞお楽しみください。
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-Rejection Letterを受け取った場合

Rejection Letterを受け取るのは誰しも嬉しいことではありません。
とてもガッカリして少し感情的になることもあるでしょう。しかし、まず最初にすることは、感情的な思いはさておき、担当者、特にHiring Managerに面接の機会をもらったことに対してThank-you noteを送ることです。また、将来、ポジションが空いた時に、連絡をもらえるように、付け加えることも出来ます。良い印象を残して(Don’t burn bridges behind you)プロセスを終えることが重要です。


-Job offerを受け取った場合


おめでとうございます。長いプロセスの末、ようやくジョブオファーに辿り着きました。しかし、まだ終わりではありません。
実はここからがとても重要なのです。
私の過去の経験ではジョブオファーはまずは部署のマネジャーから電話があり、オファーとオファーの具体的な内容を口頭で受け、数日以内にFedExにより、正式な文書で書かれたオファーと会社のベネフィットがまとめられたパッケージが送られて来ました。
オファーの内容で注目すべき点をいくつか上げてみたいと思います。

  • Starting annual salary(初任給)
  • ビザのサポート
  • Sign-on bonus (契約時のボーナス)のあるなし
  • Relocation package(仕事で引越しが要求される場合、どのような引越しのサポートがあるか)
  • Health/dental Care benefit
  • Paid vacation time (有給休暇) をどれくらいもらえるか。
  • 401K があるかどうか。
  • ストック・オプションがあるかどうか。
一つ一つの項目について見てみましょう。
-Starting annual Salaryは非常に重要です。日本人、特に研究者はお金のことを話すのを嫌いがちですが、Job offerの際に給料についてネゴをするのは当然と考えられていますので、自分を安売りしてはいけません。この基本給は今後のあなたのスターティングポイントとなります。安い給料で納得してしまうと、今後の昇給もその安い給料が基準となってしまうことを覚えておきましょう。
会社側はポジションの給料の上限よりかなり低い額を最初は提示してくるかもしれません。もちろん、それはあなたと会社との関係、これまでの経験や給料にも左右されます。
あなたの中では、最低・・・は欲しいという額があると思いますが、その額に対して何らかの根拠はありますか。ただ何となく、という理由では会社側も、簡単には譲歩しないでしょう。
初任給はあなたの教育レベル、経験、会社側がどれほどあなたを雇いたいか、また仕事のロケーションによって大きく変わります。
例えば、同じ会社の全く同じ“Job title”の仕事でもカリフォルニアのベイエリア勤務とテキサス州勤務とでは給料は数万ドル変わってくることさえあります。
地域による生活費の違いを見積もるのに役に立つウェブサイト

●    http://www.bestplaces.net/col/
●    http://www.payscale.com/cost-of-living-calculator
●    http://cgi.money.cnn.com/tools/costofliving/costofliving.html

試しに少し計算をして見ましょう。カリフォルニアのシリコンバレー、San Joseで110KのオファーとテキサスのDallasで85Kのオファーを貰ったとします。単純に額だけを比べるとSan Joseのオファーの方が良さそうですが、実際はどうでしょうか。
どのサイトでも良いですが、例えば、リストの一番下のサイトを使ってみると、San JoseはDallasに比べ、住宅が250%高、食費が14%高、光熱費が22%高、医療費が11%高、でDallasで85Kの給料はSan Joseで132Kに相当する、という結果が出ました。
つまり、単純計算ではDallasの85K>> San Jose の110Kと言うことになります。
ここで言いたいのはだからDallasを選びなさいと言うことではなく、給料の額だけでは単純にオファーの良し悪しは決められないということです。また、地域による大きな生活費(cost of living)の格差を知らずに、決めてしまい、後で、こんな筈ではなかった、と思うのも嫌ですよね。
もちろん、オファーの良し悪しに関係なく、ニューヨーク、ロス、あるいはサンフランシスコに住みたい、などの好みもあるでしょう。
ところで、給料のネゴをする場合は、勤務地近辺において、同等の教育レベル(Ph.D.、MS、BS) の人がどれくらいの給料をもらっているかという統計を知っているととても役に立ちます。
いくつか参考になるウェブサイトを挙げてみたいと思います。

●    http://www.payscale.com/
●    http://salaryquest.com/
●    http://salary.com/
●    http://www.jobs-salary.com/

また、自分の大学の卒業生たちの統計があれば、とても参考になるでしょう。


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発行責任者: 石井 洋平
編集責任者: 石井 洋平
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2014年2月5日水曜日

日経ウーマンオンラインブログから引っ越しました

みなさま、こんにちは。
2013年いっぱいで閉鎖した日経ウーマンオンラインブログに替わり、
今年からはカガクシャ・ネット ウェブサイト上のブログの場を借りて、
引き続きブログを更新していくことになりました。

今まで日経ウーマンのブログを見ていてくださったみなさま、
ありがとうございました。
そして今後とも、本ブログを、宜しくお願いします。


このブログでも、女性分科会からの発信として、
女性研究者や理系分野で働く女性のキャリアに関係する内容の記事も
引き続きアップしていけたら、と思っています。

もちろんそれだけでなく、
留学全般に関すること、カガクシャ・ネット全体の活動、
そして多 くスタッフからのブログの更新が今後もっと増えていくと思います。
ぜひ、ブログを見にきてくださいね。


さて、早速私は2月に、
理系女性の講演会兼講演会に参加してくる予定です。
11月にも似たような会に参加していたのですが、
その時のご縁で、今回のお話も頂きました。

企業や大学の場で活躍されている方々のお話を伺える他、
学生がプレゼンする場もあるそうで、10分ほどですが話をする機会をいただきました。
なにを話そうかしら、といろいろ考えているところです。

またこのブログでも報告しますね!

では今回はこの辺りで失礼します。
今後とも宜しくお願い します!



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